転職に踏み切れなかった私が、派遣で時給3,800円→28歳で年収650万になるまで

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  • 転職に踏み切れなかった一番の理由は、入るまで職場の中身がわからないことだった
  • 派遣なら中で働いてから決められる。私は派遣先の社長に声をかけられ、28歳で年収650万円を超える条件で正社員になった
  • 派遣は即戦力が前提。実務経験のある人向けで、迷うなら単発で1日働いて確かめてから決めればいい

「今の給料で、この先も家族を養っていけるんだろうか。でも、転職してブラックな職場だったらどうしよう」

この2つの不安に挟まれて、私はしばらく動けませんでした。この記事では、私が「普通の転職」ではなく派遣薬剤師を選び、その先で正社員の誘いを受けるまでを、よかった点も大変だった点も含めて書きます。転職をすすめる記事ではありません。迷っている人が、選択肢を1つ増やすための材料にしてください。

転職に踏み切れなかったのは、職場の中身が入るまでわからないからだった

私はもともと、大手の調剤薬局に勤めていました。結婚と出産をきっかけに一度転職し、給料は少し上がりました。それでも不安は消えませんでした。

  • この給料で、この先何年も家族を養っていけるのか
  • 昇給のペースを考えると、10年後もあまり変わらないのではないか
  • かといって、何をどうすればいいのかわからない

もう一つ、私の足を止めていたことがあります。焦って決めた転職先がブラックな職場だった友人を、何人か見てきたことです。求人票になかったサービス残業、人手が足りず休憩も取れない毎日、入ってからわかった人間関係。共通していたのは、入るまで現場の雰囲気がわからなかったことでした。

面接は1〜2回、時間にすれば1時間ほどです。それで何年も働く職場の空気を見抜くのは無理だと思い、「今より悪くなるくらいなら、今のままのほうがまし」と考えていました。

派遣薬剤師なら、中で働いてから決められる

そんなときに知ったのが、派遣薬剤師という働き方です。最初は「不安定そう」「正社員に戻れなくなりそう」「福利厚生がなさそう」と思っていました。実際に働いてみると、思い込みだった部分と、本当に大変な部分の両方がありました。

知識の幅が、半年で一気に広がった

1つの薬局にいると、扱う処方は門前の科目に偏ります。派遣では、内科・皮膚科・精神科の門前、処方が複雑な総合病院前の大型店、在宅に力を入れている薬局と、店舗ごとに違う現場を回りました。レセコンも監査システムも店舗ごとに違います。半年で数年分の引き出しが増えた感覚があり、「どこに行ってもやっていける」という自信にもなりました。

時給は、正社員時代の倍近くになった

私の派遣での時給は3,800円でした。正社員時代の給料を時給に直すと、目安で約2,000円です。

項目派遣(私の場合)正社員時代(目安)
時給3,800円約2,000円
1日(8時間)30,400円約16,000円
1か月(20日)608,000円約320,000円

正社員には賞与や退職金があるので、派遣の時給とそのまま比べることはできません。表の数字は私個人の例で、同じ条件になることを約束するものではありません。

それでも、毎月の手取りが足りないという悩みに、これほど直接効いた選択肢は、私には他にありませんでした。

有給も社会保険も使えた

「派遣は保障がない」というのは、私の思い込みでした。私が登録した派遣会社の公式サイトによると、一定の条件を満たせば健康保険・厚生年金・雇用保険に加入でき、就業開始から半年続けて勤務すると、勤務日数に応じて有給休暇も付与されます。子どもが急に熱を出す日はどうしても来るので、有給が使えるかどうかは家庭にとって大きな違いでした。

大変だったのは、初日から即戦力として立つこと

いい話ばかりでは信用できないと思うので、大変だった点も書きます。

大変なこと実際のところ
即戦力を求められる研修期間はほぼなく、初日から一人前として立つことが前提
求人が都市部に偏りやすい時給の高い案件ほど関東・関西に集まる
毎回、環境に慣れ直す人間関係も業務の流れも店舗ごとに違う

特に即戦力の部分は覚悟が要ります。調剤の経験がほとんどない新卒の人には、おすすめしません。

派遣先の社長から「正社員として来てくれないか」と言われた

この記事で一番伝えたいのは、ここからです。ある派遣先の調剤薬局で数か月働いていたとき、その薬局の社長からこう言われました。

うちに、正社員として来てくれないか?

派遣先の薬局の社長

提示されたのは、28歳で年収650万円を超える条件でした。同世代の薬剤師としては高い水準で、求人票を眺めていた頃には見たことのない数字です。

振り返ると、偶然ではなかったと思います。私はその職場の人間関係も、1日の忙しさも、残業の実際も、社長の人柄も、数か月かけて見ていました。向こうも、私の仕事ぶりを履歴書ではなく現場で見ていました。書類と面接だけで決まる転職では、どうしても無難な相場の条件になります。働きぶりを見たうえでの提示だったから、評価がそのまま条件に表れたのだと思います。入ってからのギャップもありませんでした。

派遣には「紹介予定派遣」という形もあります。最初から「派遣で働いてみて、お互いがよければ正社員として雇う」という前提の求人です。声がかかるのを待たなくても、この形を選べます。ただし、全員が正社員になれるわけではありません。

派遣は、正社員をあきらめる道ではなく、失敗しにくい転職の入り口としても使えます。当時の私が一番知りたかったのは、このことでした。

試すなら、単発で1日働いてみるところから

派遣会社はいくつもあります。私が登録したのはファル・メイトで、選んだ理由は次の3つです。

  • 派遣の求人が多い。全雇用形態で1.5〜2万件前後、そのうち派遣が約4,000件とされています。選択肢が多いほど、通勤時間やシフト、門前の科目で妥協しなくて済みます
  • 単発(スポット)の求人から試せる。有給を使って休日に1日だけ働き、合うかどうかを確かめてから切り替えられます
  • 専任の担当者がつき、条件の相談から、働き始めたあとの人間関係や契約更新の相談まで乗ってくれる

管理薬剤師は、原則としてほかの薬局で働くことができません。今の勤務先の就業規則で副業が認められているかも、登録する前に確かめてください。

2004年設立で、薬剤師の人材サービスを20年以上続けている会社とされています。登録は無料で、登録したからといって働く義務はありません。在職中に登録して相談することもできます。

よくある質問

ブランクがあっても登録できますか?

できます。ただ、派遣は即戦力が前提なので、ブランクが長い場合は単発や、比較的落ち着いた店舗から始めるのが現実的です。その調整も担当者に相談できます。

育児中で、フルタイムは難しいのですが

派遣はむしろ向いています。週3日、9〜17時、土日休みなど、条件を先に決めてから求人を探せます。正社員では言い出しにくい条件も、最初の条件として出せます。

地方に住んでいますが、求人はありますか?

あります。ただ、求人は関東・関西・東海に集まりやすく、時給の高い案件ほど都市部に偏ります。自分の地域の状況は、登録して確かめるのが確実です。

今の職場に知られませんか?

派遣会社から今の勤務先に、登録したことを知らせることはありません。ただ、掛け持ちで働くと、住民税の通知などから勤務先に知られる場合があります。

まとめ:動けない理由がわかれば、動き方も選べる

私が転職に踏み切れなかったのは、職場の中身が入るまでわからないからでした。派遣で働いてみたことでその不安が消え、結果として、今の職場に正社員として入ることができました。

派遣は即戦力が前提で、誰にでも向く方法ではありません。それでも「転職したいけれど、失敗が怖くて動けない」なら、単発で1日働いてみるという試し方があります。辞める前に確かめられるので、家族がいる人ほど使いやすい方法だと思います。

出典

記載の待遇・条件は執筆時点の情報です。最新の条件は公式サイトで確かめてください。時給・年収は筆者個人の実績であり、成果を保証するものではありません。